【後編】


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このままでは非常によろしくない。

何がってそりゃ、ヒルクライムがド遅くなってしまっている事だ。

このままでは60分と自己申告したハルヒルで、いっちょまえにフルカーボンのロードになんか乗っちゃってこのジジイ、ハヒンハヒン喘いで下から何番目だよ、みたいな羽目に陥ってもう恥ずかしくて榛名山を自主的な出禁にしてしまうかもしれない。

ハルヒル開催まであと2ヶ月半しかない、あの頃の勘を取り戻せ、俺。



アイルビーバック的なあの場所へ

2018/3/3、直前までやってきていた低気圧が北へ抜け、その後丸2日続いた強風もようやく通り過ぎて快晴かつ温暖な土曜日。

世間様は桃の節句と浮かれているが、こちとら腿の節句とさせて頂こう。

嫁を「お菓子買ってくるからね、もう目ぼしは付けてるから」と川越メソッドで納得させ、一日がっつりヒルクライムに勤しむルートで出かける事にする。


昨年12月に走った下久保ダムとその水源である神流湖

冬季であったため、「春になったらまた来るからな」とその先にある二つの峠を手前に引き返してきた。

さすがに長野側へ抜ける十石峠を越えてしまうと200kmコースなので、そっちは長期休暇のお楽しみにでも取っておくとして。

今回は秩父側へ抜ける土坂峠に挑戦する事に。

その後、秩父からぐるっとアップダウンをこなして神流湖への登り口である鬼石の辺りまで帰ってくる。

自宅からの自走距離含めて120km程度、獲得標高は1500mちょい。


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ざっくりこんな感じの行程となりました。



やっぱり神流湖はいい

8:00ちょうどくらいに家を出て、がーっと20km弱で前回下ってきた神流への登り口に。


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春一番が通り過ぎた直後とあって、天気は麗らかで風もそれほど強くない。

自転車の季節がようやく戻ってきた。

まずはここから150mほどアップ、神流湖畔へ向けて。

今日の開幕にちょうどいいウォームアップ。


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湖が見えてきた辺りに蝋梅が咲いていた。


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やっぱりここはいい。

景色もいいし道もきれいで交通量も少ない。

アップダウンもあって、湖畔を走り抜ける約10kmの間、退屈する時間は1秒たりともない。

ふんばって脚を回して、下りで風を切って、ふと左手の湖面を眺めて、また回して。

うっとりしていると一瞬で10kmは過ぎ去ってしまう。

自宅から40km足らずでこんな所に来られていいのだろうか、という後ろめたささえ感じる。

田舎万歳。



本日のメインイベント

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十石峠との分岐点を左に折れ県道71号線へ。

生利大橋を渡ったらすぐに勾配が上がり始め、土坂峠の始まり。

5.3kmで420mアップ、平均斜度8%といったところで距離は短いがキツめ。

10%を越える急勾配はほぼ無いが、6%を下回る緩斜面もほとんど無い。

ずーっとその間くらいの斜度が続く。

今朝迷った末、春夏長袖ジャージにモンベルのサイクルジャケットでちょうどいい気温だろうと読んだのだが、休まる箇所もなく終始日当たりもいい峠道ではオーバーヒート寸前だった。


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勾配よりも難敵が土坂峠にはいくつかあった。

まず路面、道幅は広くないし路肩には枯れた針葉樹の葉が山盛り。

アスファルトは終始砂っぽくて登りよりも下りの方が心配になるくらいだ。


そして花粉。

見てわかる通りの針葉樹天国、3月初旬、そうですよ、こんな時に来る奴がバカなんです。

息が荒くなってくると、みるみる喉の奥が腫れぼったくなって気道が狭くなっていくのがわかる。

今朝出る時に資生堂IHADAをスプレーしてきたが、汗もかいたし、敵は数が多すぎる。

バケツで水をかぶったからといって火災家屋に飛び込んでいってはいけない、ドラマじゃないんだ。


いろんな意味で辛くなってきた。

帰ったら花粉対策は絶対何かしよう、そう心に固く誓った僕の背後から「ブロロロ……」という何やら不穏な音が聞こえていたのだった。



(つづきます)



【後編】