などと書いておきながら、ようやく渋峠に行く事ができたのは2ヶ月後、6月20日である。
この場所へ訪れたのは約9ヶ月ぶり、自転車で志賀草津道路を走ったのは約4年ぶりの事だ。
やっぱり渋峠はいいよ、最高、自転車に乗っててここに来ないのは間違っている。
長野原草津口駅からの輪行スタートで約1600m、トランポで草津スタートして約1000mの獲得標高なのでそんなにハードルは高くない。
今回もオール自走で
輪行やトランポすれば確かにそれほどハードルは高くない。
が、今回も4年前と同じくオール自走とする。
開通直前の記事でも書いたように、ロングライド能力がどれくらい成長しているのかを測るのも今回の目的の1つである。
まず全行程を通しての走行データ比較。
4年前と同じく朝5時に出発し、再び帰ってきたのは16時過ぎだった。
STRAVAのログに基づく走行データはこんな感じ。
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総走行距離:189km/獲得標高:3205m
経過時間:11時間8分/移動時間:8時間29分
平均速度:22.3km/h
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4年前の同様のデータがこちら。
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総走行距離:198km/獲得標高:3788m
経過時間:12時間48分/移動時間:9時間30分
平均速度:20.9km/h
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総走行距離の変化はコースの変更に寄るものが大きい。
なんとなくGoogleマップで検索した道ではなく、道幅や交通量など走りやすさも加味して変更した。
他、道間違えや、スマホでログを取っていた事などから9kmほどの差が付いたと思われる。
獲得標高の差もスマホで計測していた事からくる不正確さだろう。
これまでの経験値と今回の実走からして、サイコンで取った3200mという方が感覚的にも正確だと感じられる。
ゴールして最も成長を実感できたのは、何といっても16時に帰ってこられた事。
6月(今回)と9月(前回)という差はあるが、明るい時間に帰ってこられるとは思っていなかった。
前回、ほとんど日の暮れた18時頃に帰ってきた時の印象が強いので、これは大きかった。
そして停止時間の変化。
信号待ちや休憩など含めた「動いていない時間」が40分ほど短縮された。
コンビニなどに立ち寄る補給や小休憩の目安を、普段10~15分としているが、だいたい3回分短縮できている。
ロングライドにおいて、めっちゃ頑張って回したわけでもないのに短縮できる40分がどれだけ大きいかはもう今さら言うまでもないと思う。
各地点ごとの詳細
続いてもうちょっと細かく見ていく。
スタートから55km付近、単純な走力の差で時間は短縮されているが、それ以外はほぼ変わりない。
約70km地点、道の駅草津。
この辺まで来ると30分くらい時間に差がついている、前回10時、今回は9時半くらい。
ここと少し進んだ草津の街中で前回は割と大きめの休憩を取ったが、今回は補給食を食べてコーヒー&一服の小休憩ですぐに出発した、まだそんなに休むほど疲れていない。
今回の装備は補給食多め、それ以外は最小限という構成。
定番の5ヶ入りあんぱん → 適宜食べる用
ゼリー飲料、プロテインバー、ようかん → 店舗で購入できない時用のストック
コンビニで休憩した時なんかは、なるべくそこで買った物を食べていた。
だいたい90分に1度のペースで、100~200kcalを摂るようにする。
これでも一般的には少ないくらいではあるが、朝食をガッツリ入れてきたことで相殺できている感じ。
補給食以外の装備は、下り用ウィンブレ、ツールケース、緊急用輪行袋、モバイルバッテリー、ライト×2(デイライト点滅用と夜間やトンネル点灯用)。
それほど暑くならなそうな事もあってボトルは1本にしたが、最近は気温が高くてもボトルは1本でいいんじゃないかと思っている。
いろはす的なソフトボトルならグシャグシャにして形も変えられるし、捨てられるので、じゃあそのまま持っていればいいんじゃないかと。
半分くらいまで減れば小さくしてサドルバッグに詰め込んだり、どうとでも収納できる。
後半回復に向かうとの天気予報を信じて出発したこの日、草津の街中からようやく青空が見える。
草津からいよいよ渋峠に向かって1時間ほど、この展望ポイントからの景色はよく覚えている。
前回は初めて見る景色に当てられて舞い上がっていたが、この時点でEMPTYランプは点き始めていたと思う。
今回はここであんぱんを1つ、まだストックには手を付けていないし、寒さも感じていない。
今回一番キツかった、渋峠後半の九十九折れ。
天候が回復する=上空の大気が入れ替わる、なわけで、標高も1500mを越えてきたこの辺りは風が強かった。
しかも九十九折れの勾配が上がるパートで計ったように向かい風になるわ、獲得標高も2000mを越えて脚スカスカになってくるわで、まあロクに進まないゾーンだった。
躍起になって漕いでいる内に軽い脱力感、ハンガーノックの初期症状のようなものを感じたのでストックからゼリー飲料を飲む、前回はこれがなかったので後半フラフラ。
平均勾配はそれほど高くないが(草津~渋峠間の全パートで4~5%程度)、勾配は細かく変化して平坦もあれば10%超もあり、30km弱続く長丁場になるので補給のストックはやはり必須だ。
つうわけで、無事正午前には渋峠ホテルに到着。
前回は13時を回っていた、余力の残り方も違っているので自分自身に安心感がある。
ここまで地図も確認しないで来られたので、帰路に関しても安心感がある。
最悪輪行でどうとでもなるからダメ押しの安心感がある。
どうなるかわからない、ゴールできないかもしれない、というチャレンジも面白いっちゃ面白いんだが。
「上手くロングライドを走り抜く」という事に関しては、この安心感に勝る装備はない。
メンタルがフラットでいられれば、焦ってペースを崩す事もない。
2時間後の自分のための
八ッ場ダム付近。
前回はこの辺りで15時を過ぎ、9月の日の傾きが「こりゃ遅くなるぞ」と聞いてもない事をしつこく教えてくれていた。
明るいっていいな。
んで、まとめ。
この4年間でロングライドが上手くなったんだな、と十分に実感できる時間だった。
繰り返しになるが、知っている、先が読める、対処ができるという安心感は、ただ持っているだけで本当に楽になる、しかも0g。
そしてやはり補給、これが上手くいかないライドは100kmでもしんどい。
上手くできれば200km走っても家まで楽しい、ちゃんと脚が回るだけで楽しい。
これは個人的な経験値からくる上手い補給のコツ(なので個人差はあります)だが。
食べた物が消化されてちゃんとエネルギーとして効いてくるまで2時間くらいある。
だから今食べる物は、2時間後の自分のために食べる物なんだと思うようになった。
例えば今回、スタートしてから1時間半・35km地点で最初の休憩を入れた。
朝食もしっかり食べてきたのでまだまだ余力は十分にある。
だがそこから2時間後の自分は、これから草津に向かう上りに入ろうかという自分で、そのためにおにぎりを1つ食べておく。
こういう感覚で補給をつないでいって、かなり上手くいったのではないかと思う。
ゴール後の疲労感1つとっても、本当に今日あんなに遠くまで行って帰ってきたのかと疑うほど疲れていなかったのだ。
まあしんどいのはしんどいんだけども。
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