前編

2020-03-15 10.49.24


雉ヶ尾峠を交差して安中アルプス縦走は続く。

だが朝8時からスタートした縦走は、この地点ですでに11時。

全縦走コースとして見るとまだ1/3ほどしか進んでいない。

序盤の藪漕ぎが激しかったとは言え、残り2/3がとんでもなく快適で快走な道、だと考えるのはあまりに楽観的すぎる。

序盤を終えたところにしては疲労もなかなかのもんである。

「これは、ワンデイ縦走は諦めてどこで離脱するか考えた方がよさそうだな」という方に傾きながら再び山の中へ。



とりあえず今日のゴールを決める

2020-03-15 10.59.48


入ってすぐの御岳山直下に休憩所。

ベンチにもテーブルにも砂ぼこりがかぶっていて、この冬の間いかにこの場が寂れていたのかを感じさせる。

とりあえず補給、離脱するにしても石尊山まではせめて行きたい。

そこまで行って、風戸峠を下って帰ればいいんじゃないか。

っつーかたぶんそれがベスト、今の自分の限界値。


2020-03-15 11.10.32


と、腹括って石尊山を目指して再出発すると束の間のボーナスゾーンに突入する。

枯れ葉や腐葉土に覆われてはいるが路面は舗装されている。

所々へし折れたりもしているが柵も付いていて、遊歩道として整備されている(いた)のがわかる。

極端に勾配のついていない所以外はゆるゆるとライドして楽に数km稼げた。


しかしそれも本当に「束の間」というやつで、またすぐに藪漕ぎに入る。

道なのか沢のなごりなのかわからないような所に差し掛かる。

枯れ葉に埋もれて自転車が重い。

息も荒くなり、周囲の音が自分の呼吸音で消されていく。

とその時、背後の、少し斜面を下った方から「ブルルゥ……」みたいな、低く重い動物の呼吸音、みたいな、たぶんそーじゃないかなー、みたいな音が聞こえる。

聞こえる、というか、聴覚に割り込んでくるような。

ああ、本当に危ない、危険を知らせる音は、環境音より一つ上の別レイヤーで聞こえるものなんだな、すごいな、人類が太古から続く歴史の中で獲得した危機察知能力というやつは。

と妙に感心してしまうほどに、くっきりと聞こえた。

こ、こわ~。

「あ、あ~、しんどいな~」と大きめの独り言で、わざとガサガサと枯れ葉や枯れ枝を踏みつけながら、(わかれよ?わかるでしょ?わかってね?)と念じながら通り過ぎる。

無事、通り過ぎた。


2020-03-15 11.34.29


ガチめの危機を脱して視界が開けた所で待っていたのは、快晴の空とまだ少し早い桜と、それから珍しく雪をかぶった妙義山。

これらが一枚に収まる景色はなかなか珍しかった。



石尊山へ

2020-03-15 12.10.07


テープ、テープがこんなにある。

ただそれだけで安心する、ここがまともな登山道だとわかる。

石尊山手前、さっさとゴールしてしまいたいが分岐で自転車をデポして御殿山にも立ち寄る事にする。


2020-03-15 12.24.59


が、ここまでやってきて一気に気持ちが萎える。

拾ったGPSログは、この斜面を下って向こう側へ伸びている。

つーことは、またここを登ってこにゃならんわけだ、しんどい、しんどすぎる、そう風が語りかけてくる。


2020-03-15 12.27.39


ふと見渡すと、ここまで自分が歩いてきた安中アルプスのダイジェストが見えた。

はぁ~、ここをずっと来たのか、自転車押して、バカだな~。

と思っていたら、なんかもうよくなった、ここへはこれを見にきた事にしよう。

んで、再びデポした場所に戻る。


2020-03-15 12.51.57


ラストスパート、石尊山山頂直下の急登。

もうちょい、ふくらはぎピンピンだけど頑張る。


2020-03-15 12.55.44


そしてようやくの、とりあえずの29座目。

今日のピークはこことする、もう13時、腰を下ろして食事とコーヒー。


2020-03-15 13.48.32


石尊山山頂からは、また少し藪になるがテープもあり、20分かからないくらいで風戸峠に出た。


2020-03-15 13.50.25


写真右奥に小さく自転車が写っている、あのポイントに出てくる。

んで手前のこちらから後半戦。

だけど今日はここでセーブして帰宅。



おまけ:コンテニュー後半戦

2020-03-22 09.27.37


2020/3/22

ぐんま百名山29座目はとりあえず終えたので、いいっちゃいいんだが、せっかくなんで安中アルプスを端まで行ってみる。

別日にセーブポイントからコンテニュー。


2020-03-22 09.43.59


前半の藪漕ぎ地獄から一変して、舗装こそないがMTBとかで来るとなかなか良さそうなトレイル。

ハイカーがいない事を確認してから下りだけ跨ってみる、なかなか楽しい、これのために20kg弱のサス付きMTBを押してくる人がいるのも、まあわかる気がする。


2020-03-22 09.49.26


そんな美味しいポイントはけっこう短く、すぐに舗装された林道に合流する。

森熊線、というもうアレがああなってアレになっちゃうイメージしか沸かない名前。


2020-03-22 10.18.21


この林道の途中から茶臼山の山頂にも立ち寄れるようなので、例によって自転車はデポして向かってみる。

テープはあるが道はあるんだかないんだかよくわからない。

最近人が通った形跡もなく、めちゃめちゃ蜘蛛の巣を拾う。


2020-03-22 10.29.02


それもそのはずで、山頂はこんな感じになっていて自分史上最高の寂れ山頂。

人間が嫌になった人が来る所だよ、ここは。


2020-03-22 11.40.58


で、あとはひたすらに林道を進み、安中アルプスの終点・八幡峰を目指すのだが。

手前まで来たところで通行止め、車両のみならず歩行者でも絶対ダメ、高崎営林署長に怒られますよ、と書いてあるので諦める。

まあ概ね端までは来た事になるのでこれでいいか。


って感じで、時間と体力があれば安中アルプスを自転車ごと縦走するのは、まあできなくはない。

得る物はそんなにないけど、やったぞ!というためと、あと自分を虐めたい方にはおすすめのコースです。




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