2019-10-06 14.24.07


先日の根本山、不死熊(ふじくま)橋登山口からスタートしたのだが。

登山口で準備をしていると、ちょうど同じタイミングで男性2人組がやってきて「自転車でここまできたの?」から始まるいつもの会話。

すごいねぇ~、なんてやたら感心してくれるので、こういうのは何度あっても悪い気はしない。

と、そこで「せっかくだからいい話教えてやろうか?」といういつもとは違う流れ。

なになに?そんなふうにハードル上げられちゃ聞かないわけにいかない。

「この少し上がった所に『不死熊橋』って橋があるんだけど……」という、見た感じ60くらいのおじさんの語りに耳を傾ける。



不死身の熊さん伝説

2019-10-06 14.18.29


おじさんの話によると、不死熊橋という名前の由来はとある営林署の方らしい、ざっと50年ほど前との事だ。

この登山口から始まっている根本沢林道は、途中3度ほど沢をまたぎながら熊鷹山の方へ続いている。

沢をまたぐ部分には当然橋が架かっていて、その一番手前の橋(現在の不死熊橋)に着工していた時の話。

その営林署の方々の1人が工事途中の橋から沢へ誤って落下してしまったらしい。


2019-10-06 14.24.19


通った時に覗きこんでみたが、なかなかの落差があるし落下地点には岩肌がゴロゴロしている。

良くて骨折、悪くて即死という感じ。

ところが、その方は少し下流の方から自力で上がって戻ってきたのだと言う。

それがイノクマ(猪熊?)さんという方だったので、この一件以来「不死身の熊さん」と営林署内で呼ばれる事になった。

やがて橋が完成し、名前のついていなかったこの一番手前の橋に「不死熊橋」とつけられたのだとかなんとか。


なるほど、面白い話である。

「へぇ~、そんな由来なんですね~」なんてニコニコして聞いていた僕ではあるが、よくわかんないおじさんの与太話を聞いて眉に唾をつけないほどお人よしではない。

(まあ話半分だよな)なんて思いながらお礼を言い、おじさん2人組が先に出発。

僕もほどなくして出発すると、件の不死熊橋ですぐに再会する。

何やらおじさん達はザイルを取りだしてあーだこーだとやっている様子。

「何してるんですか?」と聞いてみたら、どうもさっきの話をおじさん達も最近仕入れたらしく、どのくらいの落差があるのか測っているのだという、山登りにしては軽装だし、おそらくそのために来たのだろう。

(うーん、暇なおっさんだなあ)と思いつつも、逆にこの裏や衒いの無さで話の信憑性が増したような気がした。


2019-10-06 14.24.03


で、下山の道すがら。

熊鷹山から件の林道に合流し、奥から手前へと戻りながら3つある橋を順に注意深く見てみた。

確かにどの橋にも「昭和44年12月竣工」とある、だいたい50年前で合っている。


また不死熊橋に至るまでの2つの橋はそれぞれ


2019-10-06 14.04.13

2号橋


2019-10-06 14.16.45

1号橋、と素っ気ない名前である。

手前から[不死熊橋]⇒[1号橋]⇒[2号橋]という順になる。

つまり、「3つの橋は同時期に計画され竣工されたものの、一番手前の橋だけに名前を付けるべき何か特別な理由があった」という裏付けとも言えるわけだ。(おじさんもそんなような事を言っていた)


帰ってからネットであれこれ検索してみたが、他に不死熊橋の名前の由来やエピソードは見つからなかった。

もちろん不死身の熊さんの話も出てこない。

この話の真偽はともかくとして、ネットにもログの無いようなこの逸話がどこをどのようにして、あの暇なおじさん達や僕のところへやってきたのか、そしてこの先の50年でどこへ行き、いつまで残るのか、と考えると不思議な気持ちになるもんだ。

んなわけで、とりあえず僕はこうやってネットの隅っこにでも書いてみよう、と思いながら家まで自転車に乗っていた。




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