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本格的な冬シーズンが来てしまう前にどうしても行っておきたいコースがあった。

今年の7月に「埼玉峠ガイド85」というkindle本を読んで、近いうちに挑戦しようと考えている間に事故に遭ってしまい、諸々の計画が先送りなっている間に山登りなんかも始めてしまい、結局手付かずのまま12月に入ってしまった。

これではいかん、年内にやり遂げないと結局ウダウダ言ってやらないパターンに入ってしまう。

ある意味これは今年の総決算でもある、必要な装備を吟味し、荷物は最小限に。

それでも大きめのサトルバッグにフロントバッグ、トップチューブバッグ、Wボトル体制とほぼフル装備になった。

2018/12/8、朝の気温は7℃ほどの日の事である。



最大の難関は

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コースの概要はこれ。

埼玉県美里町にある林道陣見山線の入り口を起点として、そのまま林道上武秩父線~西秩父線と一筆書きに渡っていき、最後にちょっとおまけで志賀坂峠まで上がってゴール。

ずっと林道で全長約67km2080mUP。

その前後にも往路復路があるので、結局この日は160kmちょっとで2700mUPくらいにはなったが問題はそこではない。

林道すなわちそれは一般道ではなく林業・森林管理等に従事される方々の作業が主目的の道路であり、登山者やましてサイクリストというのは「通らせてもらっている」立場の人間で、そんな我々を慮った設備、自販機や商店、コンビニなんて物は存在しない、期待する事すら前提からして間違っている。

70km弱の林道が続く、つまりその間が無補給になるという意味でもある。

12月の寒空の下、Wボトルで出発した意味はここにある。


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まずは起点・林道陣見山線の入り口までやってきた。

直前のコンビニでWボトルは満タンに、フロンドバックには菓子パン総菜パン辺りの手っ取り早くカロリーが入って腹にたまるものをギュウギュウに詰め込む、トップチューブにはチョコバーと塩タブ。

もちろん先日の苦い経験を忘れずに最終自衛手段の羊羹も入っている。


街灯のプレートには、埼玉県が作成した自転車みどころスポットを巡るルート100の内、No.87「榎峠・陣見山チャレンジルート」のスタート地点でもある旨が。

だが調べてみたところ、せいぜい8kmのヒルクライムコース。

舐めんなと、何がチャレンジかと、本物のチャレンジおっちゃんが見せたらぁ、と。

踏み出す時にそんな啖呵を切っていたとかいないとか。



前半 陣見山線起点~石間峠

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今回全体を通しての最高地点・石間峠(950m)が折り返し地点。


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地図で言うとこの辺り、ちょうど北側に神流湖が位置する辺りだが樹木が生い茂っているので見晴らす事はできない。

分岐を南側に進むと「城峰1号線」という別の林道になっており、そちらはかつて開催されていた龍勢ヒルクライムのコースでもある。


ここまででもまあしんどい。

陣見山線終点の出牛(じゅうし)峠までは肩慣らし、最高地点でも標高500m程度ではあるが18kmと距離はしっかりあるのでそれなりに疲労は感じる。

そこを越えて上武秩父線に入ってから風早峠までが斜度も高めで、瞬間的に20%近く出た時は「マジか!!」ってな顔芸で登っていた。


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いっちょキツい坂を越えた所のうらぶれたバス停で休憩。

サイコンの消費カロリーを(あんまり当てにはならないんだけど)目安にパンを一個頬張っておく。


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石間峠の少し手前まで来た辺りで出くわした看板には、12月15日から冬季の時間帯通行止がお知らせされていた。

この日(12/8)はギリギリのタイミングだったらしい。


前半を走り終えてみて、林道を長距離に渡って走り続ける疲労感の正体が少しわかってきた。

路面状態も良好な箇所は少なく、峠から峠へ縦走する形で進んでいると、サイコンで確認しないと勾配の感覚が狂ってくる。

細かい起伏の変化が多く、一瞬下ってからの登り返しが頻発したり、ほとんど登っていないかと思えば妙に脚が重くなり、まるで錯視のように目の前の勾配が曖昧になってくる。

力の入れ方、切り替えが上手くいかなくなってきて、余計な消耗をしてしまう。

こういうのは経験に寄る適応力にも左右されるのだろうが、脚も体力もじわじわと削られ、少しずつ重しを増やされているような感覚があった。



後半 石間峠~西秩父線終点

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最高地点である石間峠を越えた事で何か「もう一番辛い所は過ぎた」かのような気になってしまっていたが、んなのはとんでもない錯覚だった。

西秩父線起点である土坂峠まではほぼ下りのみだった事も、楽観的な頭の中に拍車をかけた。

しかもここで道を間違えて無駄に1kmちょっと下ってしまう。

「まあしばらく楽できたからね」と登り返した所からがケチの付き始めである。

土坂峠(692m)から鐘撞峠(880m)~矢久峠(810m)~二子山登山口(940m)と「大局的には登っているが細かくアップダウンする道」が延々20kmに渡って続く。

あの1kmの無駄な消耗……と何度後悔したかわからない。


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父不見山(ててみえずやま)が近くなってきた辺りで、日陰に入ると少しゾクっと感じるようになってきた。

運動量の割に体温が上がらなくなってきているようで、例のハンガーノックの前兆である。

フロントバッグに詰め込んでおいたパンもこれでラストになってしまうが、慌てて道の途中で止まって腹に収める。

あとは羊羹だので凌ぎながら林道を抜けるしかない。

ボトルも節約しながら進んではいたものの、1本は既に空き、2本目は2/3くらいの残量といったところ。

疲労面に加えて、そろそろ補給面にも不安が出てきた。


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矢久峠直前の道標までくると、目に見えて速度が落ちてきた。

前半に比べると全然キツい坂でもないんだけどなんかダメだ、入れたカロリーが燃え切らない感じ。

地図で「ここからざっくりと1つ登って下り更にラストで大きく登る」高低差を確認する。

二子山と志賀坂峠。


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永遠とも思える30分を平均10kphを割り込む速度で過ごす。

ボトルの水は削って削って、二子山登山口に着いた時にはそれでも2本目の1/3何とか残せたくらい。

乾きで身悶えするほどではないが、慢性的に水分が不足している不快感、煮え切らないしんどさ。

羊羹で糖分・カロリーを入れてみたり、塩タブでミネラルを補ったりもしたが、やっぱり水。

水が足りないせいで補給からエネルギーへの変換サイクルが上手く機能してくれない感触がある。


まあ何にせよここまで来た、下れば西秩父線の終点だ。



おまけ 西秩父線終点~志賀坂峠~帰路

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西秩父線を抜けると国道299号線と合流。

ここからもう3km程度、志賀坂峠まで登らないと帰れないのでもうひと踏ん張り。

勾配は5~6%で緩い登りがタラタラ続く感じ、路面もいいし万全の状態なら屁でもないところだが、いろいろ終わりかけているので速度は上がらない。

林道の最終面ではもう疲労もあまり感じなくなっていて、たまにサイコンの数値を確認しながら勝手に体が動くだけのゾンビ状態、良く言えば無の境地で登っていた。

淡々と距離を詰め、それでも志賀坂トンネルが見えた時はようやく心から安堵できた。


とりあえずのカロリーは補給食がまだ残っていたが、水はギリギリあと1口分くらい。

よくよく考えてみれば、このチャレンジにはベストの時期だったのかもしれない。

凍結路の危険や冬季封鎖がある直前、水の消費が最も少なく抑えられる時期だからこそ何とかWボトルで賄えたのだろう。

夏だったら確実に野たれ死んでいた。


トンネル手前で休憩して写真を撮っていると、バンにトランポしてここまで来たおじさん2人組に声をかけられた。

これから八丁峠に登ってみようかという話で、有名らしいんだけどけっこうキツいですかね?なんて聞かれたが、行った事がないんでわかんないっすねえ、とかやりとり。

そう、志賀坂トンネルから更に15kmほど八丁峠を越える林道が伸びている。

健脚の方はぜひここまで含めて挑戦してみて頂きたい、僕はもう無理、もう帰る。


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無事神流町の方まで降りてきた所で、15時前。

朝から延々5時間半くらいずっと林道を突っ切ってきた事になる、自宅からの走行距離は100kmを超えていた、もうヘロヘロ。

いつもは気持ちの良い神流湖沿いの十石街道も、くたびれた体にムチ打ってひたすら消化するだけのアスファルト。


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枯渇しかけていた水分をこまめに補給しながら、帰宅は17時半頃、すっかり暗くなってしまった。

トータル160kmで2700mUPの挑戦、どうにか無事完走できた。

ここまで疲れたのは久々だったな。




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