あまりにも週末毎に台風が来やがるので、晴れそうな平日を狙って有給を取ってやった。
その話はまた後日として。
だいたい出かけられない週末はPCの前で地図を見たり地図に線を引いたりしている。
そのうち行きたいルートの計画や、行けるあては当分ないようなルートで架空ライドをしてみたり。
飽きたらエアロバイクを漕いでみたり。
最近は山登りを始めたので、行けそうな山とその登山ルートを下調べもしているので開く地図もより多岐に渡るようになった。
ぐんま百名山をとりあえず全部洗ってみよう
という計画の元、つまり登山口までのアクセス方法、登山ルートと時間・体力を照らし合わせて必要な日程をだいたい把握しておく事にした、それくらい暇だったもんで。
標高の高い山ほどアクセス段階で距離もあり時間もかかる。
2000m以上の山はだいたい1泊でないと行けないし、テント泊スキルが必要になってくる。
スキルだけじゃなく、当然テントやそれにまつわるギアも必要になり、それを積載してライド・アンド・ハイクするとなると更に難易度が上がる。
一方、低山は200mを切るような山からあり、自宅から自転車で出発しても半日もかからなかったりする。
日本百名山となってくるとほとんどが1500m以上、1000m以下は2座しかないが、それと比べるとローカル百名山はレベル配置的な観点でとても取っ付きがいい。
どうやら日帰り低山をコンプしていけば、経験値が高まりレベルアップしていけるようだ。
基本的にはそういうシステムになっている。
基本的には。
例外はもちろんあって。
標高だけで言えば32番目、2004mの景鶴山は普通にYAMAPやヤマレコで調べると登山ルートが出てこない。
どういうことだよ???と思っていろいろ調べてみると、尾瀬ヶ原の北に位置するこの山、植生保護のために以前はあった登山道が廃道とされてしまい現在は普通に登山できなくなっているらしい。
は?じゃあコンプとかできないんじゃん?百名山なのに山頂からの景色が見られない山が入ってんの?
って思って更に更に調べると、実は登れるルートが存在する。
植生保護のためという名目で立ち入りを禁じてはいるが「残雪期に雪の上を歩くのはギリセーフ」になっているらしい、直接草花を踏ん付けたりするわけじゃないからね。
これも公式に発表されているわけではなく、「まあ見逃してくれる」というグレーな感じの慣例。
何にせよ雪上登山のスキルがあれば行けるわけね。
かと思ったらそれだけではないらしい。
この景鶴山の登山口に当たる鳩待峠へアクセスする道が冬季は閉鎖されてしまっているからだ。
雪がある時期しか登れないのに、雪があるからアクセスできない、この二律背反、完全にバグじゃねえか、このゲームの設計者出てこいや。
と憤っているとまたまたそれで終わらないらしく。
登山口への道路閉鎖は4月下旬に毎年解かれる事になっている。
一方、景鶴山の残雪は毎年GW明けの5月中旬くらいまで。
つまり、「その1ヶ月弱の間に上手くスケジュール調整できて、かつアクセスする足を持っていて、更に雪上登山のスキルがある、一定以上の体力を持つ人」だけが景鶴山の百名山スタンプを押せるわけだ。
なにこのゲームバランス、誰かが考えたわけじゃないよね?って疑いたくなるくらいよくできた高難度クエストだ。
自然、経験、年齢、体力、運、様々な要素が結びついてギリギリの難しさで成立している。
ちょうどいい感じにネットで情報が拾えるくらいに達成者がいて、そのノウハウやGPSルートデータがオフィシャルとは別の所で引き継がれている。
というような事を発見して、一人で興奮して嫁に懇々と今知った事を説明すると「はあ……そうなの……」みたいな。
台風の週末はそういう感じです。
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