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2018年8月5日 AM 05:30
群馬に住んで十数年になるが、初めて利用する駅・中央前橋駅に到着。
同じ前橋でもJRその他が乗り入れる前橋駅とは別の、上毛電気鉄道のローカル駅。
どうしても一度行っておきたい金精峠に「標高高いからきっと涼しい、避暑しよ、避暑」と、最高気温39℃とか狂った予報が出ているこの日に向かう事にした。
始発は06:02、輪行するならボヤボヤしていると30分はあっという間だ。
まあタイトルでネタバレしてるわけですけれども
しかし30分のゆとり、缶コーヒー飲んで一息ついたり駅構内の写真を撮ってみたりとのんびり過ごし、06:02にはこんな状態である。
最高か、最高に自由か、自転車乗りの夢の一つの到達点か、これは。
そう、上毛電鉄は今話題のB.B.BASEもまっつぁおのサイクルトレインなのだ。
何がまっつぁおなのかって点を、せっかくなのでB.B.BASEと比較しながらまとめていきたい。
乗るために必要な手続き
[B.B.BASE] 公式サイトからえきねっとを通じてのツアー予約が必要
[上毛電鉄] 不要、自転車を持って駅に行くだけ
料金
[B.B.BASE] 日帰り片道ツアーで4500円程度、往復ツアーだと7500円程度
[上毛電鉄] 普通の運賃のみ、中央前橋(端)から西桐生(端)まで乗っても670円
乗車駅・降車駅
[B.B.BASE] 決まった4つのコースに応じて決まった駅で乗車し降車する
[上毛電鉄] どこからでもどこででも乗り降り可能
運行スケジュール
[B.B.BASE] ツアーなので土日の決まった時間に発着、各コースに付き月1~2回程度
[上毛電鉄] 毎日終日運行、平日は通勤・通学時間帯以降であれば自転車乗り入れ可、土・日・春・夏・冬休み中は始発から可
もう圧勝、めっちゃ便利、自由、解放感、楽園。
あんな小洒落たサイクルラックなんか付いてなくてええんじゃ、プレミアム感くそくらえ。
ワンマンでも、始発時間に券売機が動いてなくても、降車時に駅員さんに現金で支払っても、無人駅の場合は車内の運賃箱に支払うシステムだとしても、そんな事どーーーーーでもいい。
自転車乗りにとってメインは乗りたいポイントで自転車に乗る事、四の五の言わず行きたい所までスパッと連れていってくれる事が何よりのホスピタリティだと思いませんか?
駅舎内のレビュー
上毛電鉄さんからいくらか貰っていいんじゃないかってくらい持ち上げたところで、実際に乗った感じを写真と共にご紹介。
駅舎内は良くも悪くもがらーんとしている。
外にはサイクルラックもあったが、中には特にそれらしい物はない、だが自転車を置く場所には困らない。
ガラス張りの外と見比べてもわかるように、駅舎内と地面との高低差は0、入り口にも段差などはない。
でも危険なので乗ったまま駅舎に突撃しないように(※禁止されています)。
改札口はこのように広く取ってあるので、輪行袋を抱えている時によくあるヨチヨチ歩きは不要。
駅舎の外からホームまでずっと段差0、バリアフリー、ユーザーフレンドリー、自転車を押したままホームまで向かう事に何の不安もなし(※当然ですが乗ったまま通過するのは禁止されています)。
そして、ここで上毛電鉄唯一の、たった一つの、世界に一つだけのマイナスポイント。
自動改札はなく、ICカードにも対応していない。
でもそんなのいいんだもん、切符を買えばいいんだもん。
はいはい、田舎によくあるパターンねこれ。
全く問題ない、都会の奴らはこれでド焦りして滝汗流してパニックに陥るかもしれないが、このままホームに向かってしまってよい。
後は車内のアナウンスに従って現金で支払えばよいのです、ちなみに『中央前橋』から今回の降車駅『赤城』のケースだと、降車駅の改札で「中央前橋からです」と駅員さんに告げて運賃を支払う。
無人駅で降りるなら、車内にある運賃箱(バスの先頭にあるのと同じやつ)に支払う整理券システム。
何にも不便じゃないよ~、お釣りが出ないようちゃんと小銭を用意しておくマナーも何にもめんどくさくない、思いやりの心がある普通の人間であれば当たり前の事、息をするより自然に運賃表を見て小銭を用意しておけるはず。
自然・地域と共存する理想的なサイクリストのあるべき姿。
運行本数は上下とも30分に1本はあるので特に困る事はない。
ただし、くれぐれも平日の通勤・通学時間帯にはご注意を。
さすがに断られます。
車内のレビュー
許可されているとはいえ、この状態になるとなんか「やっちゃいけない事してる」背徳感に少し興奮する。
途中の駅でママチャリの高校生が一人乗ってきたりもして、日常的に利用する住民からすると当たり前の光景なのだろうな。
列車が動き出した後は倒れないよう自分で支える必要がある、その辺は自己責任。
今回は空いていたので、ドア脇にあるポールとハンドルをバンドで留めてしまった。
列車の加減速でたまに自転車が前後してしまう事があったが、おっと思ったら少し手で押さえた程度。
バンドで留める時にブレーキレバーもいっしょに固定してしまえばそれすらいらなかったかもしれない。
(ちなみに写真奥に見える銀色の箱が運賃箱)
サイクルトレインとはまったく関係ないが、車内天井は朝顔に風鈴が飾り付けられていた。
風は空調くらいしかないのだが、列車が揺れる度にちりんちりんと鳴っていた。
実にのどかなローカル線の旅。
中央前橋駅から約40分で今回のスタート地点・赤城駅に到着。
前述の通り運賃を改札で支払う、ここの改札口も十分に広く自転車を押して通る事に支障はまったくない。
降りてから、自転車の組み立てや、輪行袋を畳んだり、外したフロントバックを取り付け直したり、そういう事を一切しなくていいってのは本当に楽。
余計な時間も取られないので出発もスムーズ。
ちゃんとお行儀よくしますんで、サイクルトレイン、もっと広まって欲しい。
というわけで、次回からようやく走り始めます。
(続きます)
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